四君子画とは
「写意」って何?
書画同源(または書画同一)
直筆法・側筆法、潤筆法・渇筆法
二大技法――勾勒と没骨法
破墨と溌墨(はつぼく)、積墨法(せきぼくほう)
水墨画とは? 知るべきこと
水墨画はよく「墨一色で表現される絵画」と思われがちで、
「墨線だけでなく、墨を面的に使用し、
暈かしで濃淡・明暗を表す」というイメージがあり、
着色画であっても水墨画風の描法になり、
墨が主、色が従のものは
「水墨画」に含むことが多いわけです。
美術史で「水墨画」という場合には、
単に墨一色で描かれた絵画ということではなく、
墨色の濃淡、ニジミ・カスレなどを表現の要素とした
中国風の描法によるものを指しています。
また日本の水墨画作品については、
おおむね鎌倉時代以降のものを指すのが通常でしょう。
日本は鎌倉時代に禅とともに水墨画は伝わり
徐々に変化を遂げ、
山水画・花鳥画も書かれるようになりました。
「墨分五色」、彩色画から水墨画へ
唐時代の『歴代名画記』では
「墨を用いて色五采(ごさい)をかねた」と
述べているように、墨一色の絵画を認め、
しかも実際には濃淡の差はあるものの黒一色で
描かれたものを精神的には
五采すなわち彩色画ですと観念し、
鑑賞態度が変化しました。
やがて写実的山水画が生まれ、
ついで宋・元時代に至り水墨画は全盛期を迎え、
深い精神性をもったもっとも東洋的な絵画表現として
完成をみるのです。
四君子画
四君子画は高潔な文人高士に譬えて
菊・竹・梅・蘭を描く花卉画の題材です。
中国では、
文人の墨戯として宋・元代に流行しました。
日本においても江戸中期に将来された『八種画譜』や
『芥子園画伝(かいしえんがでん)』によって、
初期の南画や江戸時代の画壇に
大きな影響を与えました。
四君子の中でも、水墨画の題材として
最も早く描かれたのは墨竹で、次に墨梅が続き、
蘭・菊はやや遅れているようです。




「写意」って何?
写意(しゃい)とは中国絵画様式の批評語の一つで、
南朝の批評家がその「六法」のうち
“気韻生動”(きいんせいどう)に基づいています。
今日の中国では、
「写意」の語は「工筆(こうひつ)」(細密画)の対義語として、
ある種の筆墨技法を指す言葉として用いられます。
文字通りには「意を写す」ことを言い、
実体の持つ特徴をより強力に表現するもの。
画家の内面の画面への吐露を意味します。


書画同源(または書画同一)
しばしば言われる「書画同源」とは、
書と絵画と起源が同一のことです。
古くから見られる白描の絵は墨の線だけで描いたもので、
線が基本となります。
このような表現手法は早くも中国の漢代に始まったもので、
魏・晉時代に完成された。
実際、「書」と「画」を同一のような文献を見ると、
最も古いそれらしい考えは
唐時代の張彦遠の『歴代名画記』でしょう。
その中で「書と画とは同体異名で、
そもそも文字の起源は象形、
つまり画であった」と言っています。
中国絵画は「線の芸術」とも言われたように、
中国の古い時代の文人たちにとっては、
書(文字)と絵画とは、
当たり前のように同じ用具の墨や、筆を用いる。
絵画の場合線以外の形だと側筆などを用いるが、
それもまた線の延長線にあるものと考えられていました。


直筆法・側筆法、潤筆法・渇筆法
直筆(ちょくひつ)法:
(発音「じきひつ」ではなく)
筆を紙に対して垂直に立てて、
主に線を描く方法。
側筆(そくひつ)法:
筆を紙に対して倒し、
筆の穂先をより広く使い面を描く方法。
潤筆(じゅんぴつ)法:
中国語の「湿筆」とも言います。
筆の穂先に墨をたっぷりに含ませて、
にじみを出したいときに使われる技法。
渇筆(かっぴつ)法:
中国語の「干筆」とも言います。
筆の穂先に付ける墨の量を少なくして、
かすれを出したいときに使われる技法。

二大技法――勾勒と没骨法
勾勒(こうろく)法と没骨(もっこつ)法は
中国絵画の二大技法を構成します。
どちらも歴史のある有名な描き方です。
勾勒は鉤勒・鈎勒または双鉤ともいいます。
勒という言葉は書に由来にも考えられます。
勾勒は没骨の対概念になります。
勾勒法はまず形体の輪郭を線描きでくくり、
その中を色彩を施す比較的線本位の描法です。
一方、没骨法(もっこつほう)は輪郭を描かず、
初めから直接画面に形と色を同時にあらわすという技法で、
骨とは輪郭線のことで、
文字通り、
骨の没(無い)絵画なのです。
写意画のほとんどは没骨法を用いています。
実際、勾勒法は花鳥画に限らず山水画にも
使われています。
勾勒法と没骨法は
どちらが素晴らしいとかの問題ではありません。
元時代以降、写意画が主流になり、
それまで多く工筆画(細密画)に
取り込まれた勾勒法は後退しました。
水墨画の皴法(しゅんぽう)
皴法は山水画において、
山岳・土坡(どは)・岩塊・樹木などの
凹凸や質感を表現するための中国絵画独特の技法。
毛筆のさばきにより、
立体的に表現が可能になります。
秦・漢時代に始り、
盛唐期に多様化し、
五代・北宋の頃盛んになり、
元末、南宗画の成立後種類が増した。
雨点皴(うてんしゅん)、
斧劈皴(ふへきしゅん)、
披麻皴(ひましゅん)、
巻雲皴(けんうんしゅん)などが知られる。
乱積雲や山岳表現などに適しています。
皴法の数は30種近くにも考案されています。


破墨と溌墨(はつぼく)、積墨法(せきぼくほう)
破墨は墨をもって墨を破ることで、
淡墨で大体を描いてその上に濃墨を加え、
濃淡の差やぼかしなどによって
立体感や生動感を表現する技法です。
溌墨は、輪郭線を無視して画面に墨を溌(そそ)ぎ、
一気に形体を表すとともに、
墨の濃淡と勢いとによって生動感を表す技法です。
積墨法(せきぼくほう)は
淡い墨色でまず輪郭線を描き、
その内側を淡い墨色や少し濃い墨色を重ねながら
徐々に濃い色にして描く方法です。
破墨法の方法を使いながら、
破墨法よりも絵に柔らかさを加え、
かつ重厚感と上品な立体感が
表現できる技法とも言えましょう。

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